荒木ユウのよっしゃいけるブログ。

美容師荒木ユウによるツヤ髪や美肌になれる情報をお届けします。

ファミレスでハンバーグを食べた日の思い出。

それは12月の寒い季節だった。

 

君はいつも忙しそうにしていて、たまに連絡をしてみるものの

 

『ごめん仕事があるの』

 

といつもかわされてしまう。

 

仕事で忙しいのはお互いだから仕方ないと思いつつも自分よりも忙しい君に若干の焦りと嫉妬を覚えてしまう。

 

君とデートをするつもりだった休みが完全に空いてしまった。

する事がなくなった僕はまたいつもの街へ繰り出すことしかできない。

 

君の好きな街である『自由が丘』だ。

 

この街はいつも人で混みあっていて僕なんかが感じる孤独を消し去ってくれるのではないかと淡い期待を胸にしたのも後悔に変わる。

 

完全に間違えた。

 

12月の自由が丘はカップルや夫婦で溢れていた。

孤独をより一層感じた僕はもうそろそろ帰ろうかなと来たばかりの足を帰路に向けようとした時に見つけた古書店。

 

 

自由が丘にこんな本屋あったっけな?

 

そう呟いてみるもののする事のない僕は読書もたまにはいいかと思いその古書店に入ってみた。

 

5坪程しかない古びれた汚い店だがこのような店にはお宝があるんではないかと胸を踊らせる。

 

昔から読書が好きな僕はそんな期待を込めて入口を空けた。

 

中には誰もいない・・・

 

壁一面に飾られた古本の数々。

どれも日焼けをしていてホコリもかぶっていて売り物ではないみたいだ。

 

店員さんはいないのかな?

と思い「すみません」と少しだけ声を出してみても誰も出てきそうにはない。

 

うーん、

なにか面白そうなタイトルはあるかな?

と本を探してみるもののホコリがかぶっていて触るのもはばかれる。

 

店内を一周してみても特に面白そうな本はなさそうなのでまた入ってきた道に向かい横開きの入口を開けようとした時、店の奥の方からなにか見られたような視線を感じたがそのまま僕はその古書店をでた。

 

一体なんだったのだろうか。

 

外のワゴンにも『100円』と書かれたPOPが置かれた文庫の中に一つだけ気になる本があった。

 

その本は表紙が赤く塗りつぶされているような本だった。

手に取って数ページペラペラとめくってみると中には何も書いていなく白紙だった。

 

これは本なのかな?

と思った瞬間奥の方から老婆が出てきた。

 

 

!!!!!

びっくりしたと思い振り返るとその老婆は

 

「この本に願いごとを書くとその通りになる」

 

と一言だけ伝えてまた店の奥の方へ戻って行った。

 

『へ?』

 

と声を出した僕はもう一度この本について聞こうと思ったが、そんなバカな事ないなと思いそのまま自宅へ帰った。

 

 

その後も君に会えないかと入れたLINEからの返事を待っている日々。

 

連絡が返ってきたとしても

 

『いつも仕事でごめんね』

 

と申し訳なさそうにする君。

 

そんなことがここ何日か続いた。

『俺の存在って・・・』

 

このままではクリスマスの予定もすっぽかされてしまうのではないかという心配さえ出てきた。

 

僕はいつも忙しい君の笑顔を見たいだけなのに。

 

僕はまた空いた休みの日に自由が丘まで散歩をしてみた。

 

相変わらずの人の多さだ。

 

いつも来てから後悔するくせを治したいものである。

 

やっぱり帰ろうかなとまたいつもの通りを帰ろうとすると以前見つけた古書店。

 

外のワゴンにはまだあの赤い本が置いてあった。

 

「この本に願いごとを書くとその通りになる」

 

以前そう老婆が言った言葉が脳裏に過ぎる。

「100円だし買ってみようかな。」

ふと声に出して言ってしまった。

 

そのまま赤い本を持ち古書店の中へ入ると以前居た老婆はいなく、中には高校生のような男の子が店番をしていた。

 

孫なのかな?

 

と思いながらも赤い本をレジに持っていく。

 

『108円になります。』

といい110円を払い2円のお釣りをもらって僕はそのまま帰路に帰った。

 

 

あの老婆はどこに行ったかどうかなど頭の中からは消えていた。

 

 

自宅に帰り机に置いてあったペンで赤い本に書き出してみる

 

『君に会いたい』

 

と書き出した。。。。

 

。。。

 

。。。。

 

自分は何をやっているんだろうか、バカバカしい。

 

漫画でも読み直そうかなと思った瞬間僕のスマホが鳴る。

 

それは君からの返信だった。

 

『今度の火曜日空いたから会おう。

最近会えなくてごめん。』

 

『場所はいつもの自由が丘でいいかな?』

 

と立て続けに2件LINEの吹き出し。

 

僕は本を見直した。

これって、、、

 

いや、今はそれより返信しなくては!!

と君への返信を送ることに頭を切りかえた。

 

一通り君との連絡が終わり今度の火曜日会う時間や店を決めてLINEは終えた。

 

次の火曜日は12月18日。

時間は6時に駅前で待ち合わせっと。

 

メモをするように携帯にアラームをつけ僕はその日眠りに落ちた。

 

本の効力なのかたまたまなのかは今は深く考えることはやめた。

 

 

それ以降僕はあの赤い本に何か書くのをやめた。

 

僕は君に会えればそれでいいんだ。

君に会えてから本の効果が本当かどうか確かめてみよう。

と密かに胸に思いを乗せて。

 

 

12月18日。

 

 

僕は17時30分から駅前に待っていた。相も変わらず人の多い街だ。

 

それでも今日の僕は孤独ではない。

君と出会えるから。

 

 

しかし18時を過ぎても君は現れない。

 

18時15分頃になっても来る気配がないので僕はたまらず君にLINEを送った。

『何時頃に着く?』

 

『ごめんが忙しくてもう少ししたら向かう』

 

と直ぐに返信がきた。

 

ほっとしたもののそれ以降既読がつかない。

19時を回っても連絡がなく外で待つのもとても寒くなってきたので近くのファミレスで待つことにした。

 

 

ドリンクだけ頼もうとメニューをふと見た時ハンバーグが見えたと同時に自分の腹が鳴った。

 

 

1人で面白くなってしまって少し食べても大丈夫だろうと店員さんをベルで呼び出す。

 

『目玉焼きハンバーグとドリンクバーをお願いします。』

 

店員さんは『ご一緒にパンやライスはいかがですか?』

 

と声をかけてくれるもののおなかいっぱいになってはこのあとの食事に響きそうなので遠慮しておいた。

 

 

5分位するとハンバーグが目の前に運ばれる。

ハンバーグの上に乗った目玉焼きの黄身を壊さないように白身と肉を口に運びながらスマホに目を向ける。

 

まだ既読もされていないみたいだ。

 

ファミレスのハンバーグはいつどこで食べても変わらない美味しさがありいつの間にか残っているのは黄身の部分とハンバーグだけ。

 

黄身にナイフを入れハンバーグの欠片一緒にフォークをさした瞬間LINEからの通知がきた。

 

『あと10分でつく。』

との事。

 

僕はそのままハンバーグを口に全て流し込みお会計を終わらせ自由が丘の駅前まで足を運ばせた。

 

待ち合わせに遅れた君を僕は笑って許した。

仕事だから仕方ないよって

(実際は2時間半以上待ったものだ)

 


というものの僕はお腹がすいていたためハンバーグを食べたからとは言えない。

 


久しぶりに君と歩ける道はいつもよりも輝いて見えた。

 

煌めくイルミネーションのある自由ヶ丘だからだろうか。

 

何も食べていない君を気遣い北海道バルの店へ入った。

 

火曜日はスパークリングがお得らしいので2人でスパークリングワインで乾杯。

 

ひとしきりメニューを頼み君との会話。

 

ああ、僕は今君と話せているという幸せを噛み締めている。

 

ココ最近会えていなかったからか飲みながら涙が溢れそうになるのを必死に我慢した。

 

君がこちらを見ると涙わけを聞かれたくなくて下を向いてしまった。

 

運ばれてきた塩辛の乗ったじゃかいも。

 

外は寒いので頼んだジャガバターが心まであっためてくれる。

ふむスパークリングにジャガバターもなかなか乙なものだ。

 


いつもと変わらない他愛ない会話。

笑顔が耐えない2人。

 


ジンギスカンなどのメニューもあったがハンバーグを食べた手前そこまでお肉という気分でもない。

ここは野菜たっぷりのスープカレーを2人でシェアしよう!

 

なすとチキンのスープカレー辛さは5段階中3にした。

 

未だにスープカレーの正しい食べ方がわからない僕は茶碗に米を乗せてスープをかけてみる。

 

もちろん君のお皿に先に取り分けてあげる気遣いを忘れない。

 


うむ、辛くて美味しい、そしめ野菜の旨みも出てていくらでも行けそうだ。

今度は先に茶碗にスープカレーとチキンをいれてあとのせご飯で食べてみようか、

 

うむ、これまた美味しい。

スープカレーに順番なんてないんじゃないかと思い横を向いたら君は熱かったのかまだスプーンに乗ったカレーをふーっと冷ましている。

 

 

。。。

 

 

。。。。

 

 

。。。。。

 


1通り食べて1通り飲んだしもう食べれないぞ。

といつの間にかもう閉店の時間だ。

 

間もなく終電も迫る。

 

2人で飲んだお酒は、ボトル2本を開けてもまだ飲み足りない。

 

飲み足りない僕は勇気を出して言ってみた

 

「泊まりに行っていい?」

と、

 

 

そうすると

「会社の寮だからうるさくしないでね。それでもよければ」

 

 

という君、

 

僕は大井町へ向かう終電には乗らず君の住む町の東横線に乗った


初めて降りた新丸子駅

コンビニでお酒を買い君の寮まで2人歩いた。

 

いつもとは違う幸せを感じながら、くだらない話をしながら歩く見知らぬ道。

 

この瞬間がいつまでも続けばいいのに。

 

ふと声に出して言ってしまったら

 

君は

 

『なんか言った?』

と、

 

僕は『んんん、なにも』

 

と言い君の住む男子寮へ入った。